この記事ではオプション取引の逆指値について書いていこうと思います。
板注文での逆指値はオプションに限らず要注意なのですが、
特にオプションは注意が必要です。
というのもオプション取引の板注文は、暴落が起こって相場が荒れると
非常に板が薄くなってしまい約定しにくくなってしまうからです。
「板が薄い」というのは、以下のように板の指値注文が少ない状況を言います。
![注文の少ない薄い板](https://option-dealing.com/wp/wp-content/uploads/2020/05/rapture_20200530004203.jpg)
このように最も高い買い注文が12円、最も安い売り注文が150円と
買いと売りの注文が大きく開いています。
このような薄い板では、基本的に不利な価格での約定となってしまいます。
オプションの逆指値注文の危険性
オプション取引で逆指値の損切注文を入れる際は要注意です。
例えば、以下の通りプットのネイキッド売りをしたとします。
(ネイキッド売りは推奨しませんが、あくまで例です)
6P16000 売 25円
(6月限の権利行使価格16000円のプットを25円で売った)
ただしこのままでは損失無限大となってしまいますので、
逆指値の損切り注文を入れたとします。
逆指値の損切注文の例を以下に示します。
価格が105円以上になったら 指値100円で発注
この条件では、プットのオプション価格が105円以上になった時点で、あなたの損切注文が100円の指値で発注されます。
価格が105円を付けた後、100円まで下がってきたらあなたの損切注文が100円で執行されます。
これで25円で売ったプットの損切りが100円で無事約定されました。
でも、オプション価格が105円を付けた後も120円→150円とさらに上昇を続けていった場合は、
あなたの100円の指値は執行されません。
つまり損失がどんどん膨らんでしまいます。
![逆指値が約定しない](https://option-dealing.com/wp/wp-content/uploads/2020/05/rapture_20200530010537.jpg)
このように逆指値には約定しないリスクがあるのです。
それでは、この約定しないリスクを回避すべく、指値をもっと高い位置に出したとします。
価格が100円以上になったら 指値120円で発注
ただこのように、逆指値条件よりも発注価格を上に指定してもリスクはあります。
暴落が起こってオプション価格が一気に130円を付けた場合、
上記の損切り注文は約定しません。
![逆指値のリスク](https://option-dealing.com/wp/wp-content/uploads/2020/05/rapture_20200530011130-1024x610.jpg)
このように暴落が起こってプットのオプション価格が大きく飛んでしまうと
逆指値はほとんど役に立たないのです。
それでは、さらに約定しないリスクを回避すべく成行注文を出したとします。
価格が100円以上になったら 成行で発注
上記の注文方法であれば、約定しないリスクは回避されます。
でも、暴落が起こっていたがスカスカの状態で成り行き注文を出すのはかなり恐ろしいのです。
板に注文が無かったらとんでもない価格で約定するリスクもあります。
本当は100円で損切りしたかったのに、板に1000円の売り注文しか無ければ
成り行き注文を出せば1000円で約定してしまいます!
特に暴落時は流動性が無くなって注文がスカスカの状態になってしまいますから、
非常に不利な価格で約定してしまうのは避けられません。
![成り行き注文のリスク](https://option-dealing.com/wp/wp-content/uploads/2020/05/rapture_20200530011756-1024x539.jpg)
このようにオプションで逆指値で損切り注文を出すのはできるだけ避けたいところです。
リスクの高い逆指値を避けるには?
結論から言いますとネイキッド売りをしなければ逆指値で損切り注文を出す必要性がほぼ無いと思います。
少なくとも僕はクレジットスプレッドで逆指値の損切り注文を出したことはありません。
「クレジットスプレッドでは得られる利益が少ないから、ネイキッド売りをして
追い込まれた時のために逆指値で損切り注文を出しておく」
という戦略はオプションではリスクが高いのです。
逆指値注文が自分の想定の価格で約定するという前提ならある程度問題なくいけると思いますが、
今まで説明してきたように、逆指値注文は約定しないリスクがあります。
特に暴落時や夜中のように注文が極端に少なくなる時は、かなりのリスクを負う事になります。
それだったら初めからクレジットスプレッドにして
損切り注文を出さなくても良い状態にした方が良いと思います。
クレジットスプレッドでも暴落が起こった時は含み損を抱えてしまいますが、
ネイキッド売りと比べると損失の増え方は全く異なります。
イメージですが、ネイキッド売りが100万円の損失になったとしても
クレジットスプレッドでは10万円~20万円程度です。
この比較はかなり大雑把なイメージですが、感覚的にはこんな感じで
大幅に損失を抑えてくれます。
なのであらかじめ損切り注文を入れておかなくても
暴落が起こってからでも十分に対応は可能だと思います。
どうしても得られる利益だけを見てネイキッド売りをしてしまいがちですが、
損失になる時を考えるとやはり、クレジットスプレッドでヘッジをしておいた方がかなり安全です。
資金さえ残っていれば、いずれ取り返せるときが来ますので、
稼ぐ事だけを考えずに資金をどうやって残すか?に意識を向けていきましょう(^^)/
以下の動画でも逆指値について詳細に解説していますので
是非ご覧ください(^^)/
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